楚辺通信所・瀬名波通信施設

うるま不動産スタッフ

2011年08月08日 16:36

ひずみの構造

基地と沖縄経済


 「像のオリ」と呼ばれた巨大アンテナが米軍の象徴として注目を集めた読谷村の楚辺通信所。2006年に全面返還された同跡地は現在、村内では初の試みとなる地区計画制度を活用した跡地利用が予定されている。しかし土地利用が始まらないうちに、はは返還に伴い地料に代わり支給される特定跡地給付金が昨年打ち切られ、地主は収入を断られた。
 11年5月23日。同跡地地主会の総会に参加した地主らは、跡地地主会の総会に参加した地主らは、跡地利用について地主の要望が反映される地区計画によるまちづくりを満場一致で決めた。返還から5年の歳月を経て、ようやく跡地利用の方向性が定まった瞬間だった。地区計画は、公園の配置や建物のおおきさなど地主らが定めた‘ルール,に沿って事業が進められる制度で、きめ細かな「まちづくり」ができるのが特徴だ。地主会とは村は年度内に、推進地区に指定した箇所から具体的な整備計画を策定する予定で、順調に手続きが進めば13年度中には予備設計に取り掛かれる。
 さらに、楚辺通信所と同じ06年に返還された瀬名波通信施設跡地の地主会でも今年6月に開いた総会で、宅地などの非農地を最大で3割確保できる県の畑地帯総合設備事業(坦い手育成型)による跡地利用を決定した。現在、地主会でつくる瀬名波地区農振坦手育成畑総推進会が仮同意作業を進めており、年内に採択基準となる80%の同意を目指す。7月末の同意率は58%だ。
 ただ、事業実施までの道のりは遠い。まずは、村が同跡地を農用地区域に指定しなければならないが、こちらも同様に地主会の同意が重要な要素だ。しかし、同跡地の地主の約35%は村外在住で一部は同事業の導入に後ろ向き。合意形成には高い壁が立ちはだかる。同跡地も特定跡地給付金支給が終わり、地主は影響を受けている。
 楚辺通信所返還跡地利用地主会の比嘉郁也理事長は「事業の完了まで国が面倒をみてほしい」と給付金の継続支給を含めた救済策を求める。瀬名波地区農振坦手育成畑総維進会の富山勝吉会長は「とにかく早急に同意を取り付け事業を進めるしかない」と切実だ。
 日米安保という国策によって長年土地を提供してきた地主たち。返還後の跡利用計画はまだ時間が必要だが、特定跡地給付金は既に切れた。地主に負担を強いる現行の法制度の‘不備,が両跡地にも出ている。

※8月3日(水)琉球新報の記事を抜粋しています。

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